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【西武園GⅠ最終日決勝】脇本 完全制覇

 17連勝でオールスター制覇――。GⅠ「第65回オールスター競輪」の決勝戦が15日、西武園競輪場で行われ、自力に転じて捲った脇本雄太(33=福井)が優勝。賞金5368万円を獲得した。脇本のGⅠ優勝は今年5月の日本選手権競輪以来、通算7回目でオールスターは2度目の制覇。同大会の完全優勝は98年一宮の山口幸二氏以来、24年ぶりの快挙で、6日制ナイター(5走制)になってからは初めて。

 GⅠ決勝で初めての番手戦に挑んだ脇本。ますます有利、いや隙が生じるのでは、など良くも悪くも注目を集める戦いだったが、ファンの支持は圧倒的。「技量不足が露骨に出てしまった」と連結を外す形になって7番手まで引いたが、これが逆に強さを際立たせることに。先行有利のバンクで絶体絶命ともいえる位置から豪快に捲り追い込んで5連勝。オールスター競輪では24年ぶり史上5人目の完全Vを飾った。

 「松浦君の動きに気付かず、守沢さんの当たりで動揺してしまったが、あそこで勝負しても勝ち目はゼロと割り切った。諦めずにしっかりと踏み切れたけど、ゴールしても自分が抜いたのかどうなのかは分からなかった」

 ファンからの〝おめでとう〟の声でVを実感。18、20年に続いて3回目の年間複数GⅠ優勝を達成し、今年の取得賞金も1億6000万円を上回った。

 「寺崎君に申し訳ないという思いと優勝できてうれしいの両方の気持ち。意識の切り替えうまくできたと思う。プレッシャーがある中での番手戦を経験できて、今後の課題になった

 今年のGⅠは古性、脇本、古性、脇本の順で制覇。近畿コンビがタイトルをジャックしている。

 「このままいい流れをつくれれば。プレッシャーも大きいけど、期待に応えなければならないという使命感を持って戦えている」

 5月の福井FⅠ準決勝から白星を並べ続けて連勝を17に伸ばした。これからも輪界最強レーサーがファンの期待に応え続ける。(本間 正則

 ◇脇本 雄太(わきもと・ゆうた)1989年(平成元年)3月21日生まれ、福井県福井市出身の33歳。県立科学技術高卒。08年7月プロデビュー。通算成績は818戦324勝。通算取得賞金は9億468万円。主な優勝は第61、65回オールスター競輪(18、22年)、第27、29回寛仁親王牌(18、20年)、第73、76回日本選手権競輪(19、22年)、第71回高松宮記念杯競輪(20年)。1㍍80、72㌔。血液型A。

 ◆次走 優勝した脇本雄太は22~24日の立川FⅠ、2着の松浦悠士は20~23日の富山記念、3着の守沢太志は25~28日の小田原記念。

 ◆売り上げ 今開催6日間の売り上げは128億4273万9700円。目標の130億円には届かなかった。

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